セミナー

驚異の社員(人間)教育

先進国における21世紀のビジネスは、感性のビジネスが中心と言われている。
物は溢れ物質的要求は減衰し、感性を重視した物が要求されてくる。
特に日本人は繊細な精神を持ち合わせているが、戦後の教育によってその精神に目隠しをされた、しかし根底に潜む(潜在意識)感性は時代と共に復活し、今、何が必要で何をしなければ成らないか、何が幸福の原点なのかを知る時期に来ている。

21世紀は精神文明の開花とも言われ、その時代におけるビジネスの基本を理解し、少しずつでも実行して行かなければならない。
では、具体的にどのようにすれば良いのか?。簡単な事。自分は人間でありお客様も人間である!と言う真意を深く研究する事である。

この意識を実践し経済界からも注目されている方、皆さんご存知のオートウェーブの広岡会長です。オートウェーブの急速な発展の裏に隠されたノウハウとは何なのでしょう。
価格が安い。物が豊富。お店が奇麗。こんな事でお客様が呼べるのであれば苦労しません。デパートの様に大店舗方式にすれば良いだけの話しです。
オートウェーブは必要に迫られて大店舗に移行したと言えます。お客様の要求からです。お客様からの要求、すなわち人間の欲望の心理を満たすシステムが組み合わさり、多くのお客様から支持されるのです。

さて、人(お客様)の心とか精神的意識は形ではないので目で見る事はできません。しかし見る方法が一つ有ります。それは自分の感性で感じ取る方法です。それには洞察力を養わなくては成りません。
洞察力と言うと相手の事を見る!と解釈すると思いますが、それは誤りです。
何故か!。人格、想念、思想等が同じであれば相手の意識が伝達され少しは理解出来ると思いますが、人はそれぞれ個々のスケール(物差し)で判断し行動しているので、これだ!と言える絶対的な物は存在しません。
広岡会長も言われている、100人100様100通りの要求。千であれば千。万であれば万通りの要求。それに対する対応が今のオートウェーブなのだ!と。

そこで社員全員が広岡会長の指導のもとで、同じ思想的方向性とは何なのでしょうか?。

それは社員としての教育ではなく、人間としての教育である。道徳的社会人としての物の見方考え方、行動力、思考哲学、個性の開発である。
これらの教育は文章で表現できる範囲を超越している為にマニュアルは無い。
時々変化する現代社会に対応するには、マニュアルを毎週書き換えなければ成らない程、変化が激しい。
一般に使用されている通称”馬鹿よけマニュアル”で、全てのお客様に対応する企業の多い事にはあきれて物が言えない。

オートウェーブに行って気付かれたと思うが、若い年令層で構成されている。
これはインプリンティング(擦り込み)教育を最も効果的に行う事が出来る
年令であり、雑念や欲望の無い時期に道徳的観念を現場で直接教育する。
『インプリンティング(擦り込み)とは、この世に生まれ、始めて見る者を親として認知する言葉で、動物が持ち合わせている本能に属す。』
社会に出て初めての就職時は、ビジネス界にとって生れたての子供である。
この時期に取得した知識や観念は、その社員が”生涯維持して行ける宝”となるように指導されているのである。
早期に習得できた社員は、年令を問わず店長に指名される。
20代で月間憶単位の売り上げを難なくやり遂げる迫力は、いかに人間教育が徹底されているか想像できると思う。
年令は関係無い、能力優先である。その能力とは前にも述べた道徳、思想、哲学を基本とした行動力が備わっている事が条件となる。
この様な若者の指導は、21世紀を生き抜く強力なエネルギーとなり、精神文化を重視したビジネス集団になるものと期待している。
オートウェーブを見本にと見学する人達は後を絶たない。彼らの目的は利益追求のみを考え、不道徳とか、節操が無い事を恥と思わぬ守銭奴である為、本質の部分が見えないし、言っても理解出来ない精神世界、想念の世界なのだ。
オートウェーブに少しでも近づきたいと思うのであれば、次の事に挑戦出来れば具体的な回答を得る事が出来る。

  1. お客様の要求に応える。あれは出来ません。これは出来ませんではなくお客様のわがままに何処まで応える事が出来るかの挑戦であり、自社で不可能な場合、ライバル会社にも依頼出来る覚悟が必要。
  2. 店内にお客様が居る間は営業時間。蛍の光は闇の光、お客様追い出し狂葬曲となる事を知ろう。
  3. 笑顔で対応。人の心理は常に不安定であり、常に笑顔とは自分自身との戦いとなる。腹を立てたり怒りを表したら負けである。

この3点の内容には現実的な行動としての問題と精神的圧迫が伴う。その両面を克服する段階が重要であり、人間の求める真意を探求すると共に、自己の深層心理をも開発する。そのプロセスが知恵を生み出し巨大な戦力となる。

話しを前に戻し、人(お客様)の精神や意識を感じ取る”洞察力”を養わなければ
成らないと申し上げました。ここで、どのようにして洞察力を訓練するのかを簡単に述べてみる。
一枚の絵がある。人物、風景、抽象、等,何でも良い。その一枚の絵から次の事に対し回答を出す。これが洞察力を養う第一歩の訓練です。

  1. 作者は男性であるか女性であるか。その理由は?。
  2. 年令は何歳であるか。
  3. 作者の表現したい主な目的は何であるか。
  4. どのような精神状態で描かれたか。
  5. 絵を描いている時と普段の時の精神状態は。
  6. 一般人からどのように思われていた人か。
  7. どのような思想想念の持ち主なのか。
  8. 生活は貧乏か裕福か。
  9. 幸せであるか不幸であるか。
  10. アトリエの間取り、その雰囲気は。

一枚の絵から自分の意識で連想し回答を出す。絵に描かれている物は目で見
える訳だが、絵には描かれていない部分を見る目を持つ。これが洞察力(心眼)
を養う最も簡単な訓練です。

これには条件が有ります。第一が道徳心に忠実である事。第二は自分の意識を飾らない事。第三に子を思う母親の意識(全てを許せる意識)。この三つの条件を抱き見る事がより正確な洞察力が養われます。

この訓練は単にその絵を見るだけではなく、自分に隠されている霊性をも見出す訓練となり、自己の神格はさらに拡大してきます。

ですから、初期に見て評価した絵が、後に同じ評価をするかと言うと大幅に異なる事に気付き、いかに誤った判断をしていたかに気付きます。

人(お客様)は目の前に居ます。今お客様は何を考え何を要求しているか?。

ジョイボンド 古舘忠夫