売れるお店の心理学

売れるお店の心理学(5)

販売の極意

販売競争は不景気も重なって各社熾烈な戦いと成っている。デフレも重なる昨今は人件費の安い中国産が市場を独占し産業空洞化は更に進み、不況からの脱出も見通しが付かない状況下である。

さて、ここで述べる販売の極意とは、一番困難とされる接客販売に絞りお客様の心理が営業マンによってどのように変化し、どのような結果を生み出すかを分析する。
代表的な接客販売と言うと、自動車、化粧品、保険、健康食品、寝具、等々非常に多くの物がある。
一般ユーザーはこのこれらの営業マンに対し、非常なほどの警戒心を抱き話も聞かない。
ましてや訪問販売となると、更に警戒心や疑念を抱き販売に結び付くまでには大変な努力が必要となる。
訪問販売の営業マンに聞く所によると、断る人はお客に出来、話を聞かない人や無関心な人、誉める人は販売の見込みが無いと言う。
断る人は話ができる為、売り込める可能性があると言う。

接客に当って、まずお客様の心理を理解しない営業マンの販売は困難と成る。
トヨタカローラの営業マンが、2年連続でトップセールスとして活躍したK氏は、売り込む事より商品の良さを如何に表現し理解させるかが大切であって、買う買わないはお客様の判断である。
この言葉の裏に隠された事は、お客様の心理を重要視し、お客様の心に踏み込む事をしない行動である。あくまでもお客様の判断に任せ決定させるのである。が、決断を導くための予備知識を如何に伝えるかで、お客様の心理に芽生える希望、夢、理想を想像させる事ができる。
この時点での営業マンの心理の中に売り込む意志を排除し、お客様の立場に立った物の考え方で接する事である。売り込めるとか、いくら儲かるかと言う意識を持った時点で破談と成る。
心理(意念)は伝達する!常に欲を排除し商品説明に徹する。と言うのが答えであった。
万人の営業マンがいくら良い物であると言っても、心に抱く意識が何処にあるかが重要であり、目で見える範疇ではない精神世界を理解し、接客しなければ納得の段階にまで導く事は出来ない。
次に意志の伝達について色々な形が混在し複雑なものである。しかし、販売に付いて不可欠な事柄も多いので分類しながら述べてみる。

意志伝達の手段

公私に関わらず自己表現、主張、提案、説得、等、生活上(ビジネス)意志伝達は当り前の事であり一般的には無意識的に行動している。
あまりにも通常的であり、当り前であれば有る程、常識的判断で処理してしまう為に、意志の伝達と理解に至る関係や、プロセスを深く迄探究する事は皆無に等しい。
さて、意志の伝達手段としてはどれだけの方法と手段が有るのかを探求すると同時に、今後のビジネスや生き方考え方までをも追ってみたいと思う。
ここでは単に伝達の手段と受信、理解と解読を列記していますが、送り手、及び受け手の人間的能力(理解力、知性、感性、等)により、非常に幅と奥行きに変化があり、回答、結果、結論は定まるものではない。
ここで言える事は、相手によって伝達の方法や手段に変化をつけ、より深く理解させる方法を選び出す必要があり、誤解や疑念を招かないより良い人間関係を保つと同時に、販売の極意として参考にして頂きたい。

伝達方法

送り手 受け手 解読箇所
1、言葉での伝達 耳で受信 頭脳
2、文字での伝達 目で受信 頭脳
3、目での伝達 目で受信 頭脳
4、ジェスチャーでの伝達 目で受信 頭脳
5、接触での伝達 肌の感触で受信 頭脳
6、物からの伝達 目、肌で受信 頭脳
7、思想、哲学での伝達 頭脳で受信 心、顕在意識
8、環境での伝達 気で受信 心、深層真理
9、思いの伝達 気、波動で受信 心、潜在意識
10、意念での伝達 魂で受信 魂、神媒

その他の伝達方法もあるが宗教哲学的色彩が伴うので、上記10項目に絞って述べてみよう。

一般生活上1~6項目を基準として考えられるが、ビジネスに於いては送り手と受け手には利害が絡み、しかも解読個所は頭脳である。
頭脳性の判断は損か徳かに限定された回答を出し、要求を満たすと同時に自己防衛本能も働き納得の範囲で決定される。
例えば、「物も言いよで角が立つ」と言う言葉があるが、目的の事を正確に伝えても表現の方法で、受け手の感性に判断基準が置かれる為、正確に受け取る事が出来ない場合が多い。しかし、機械的な装置での言葉は送り手に感情が無い為に感情的判断を生み出さない。その事により受けて側は正確に受け取る事が出来る。
同じ事をメッセージしているにも関わらず、何故同じ受け取り方をしないのか、何処にその要素があるのか。
その要素は7~10の項目に隠されている。

送り手の手段や方法を研究する事は必要だが、受け手にいかに理解してもらうかが重要である為、受け手の事情を優先した伝達方法が必要である。
従って受け手側の細部までを分析(7~10の項目)し、その後に伝達手段を組み立てる。
人の話には誇張がある。その為に何処までが真実であるか疑問視しながらの対話となるが、それ以前に相手から受ける印象(イメージ)で真実性の範囲、尺度を作り上げ、話の中から具体的な結論えと組み立てるのであるが、1~6までの項目で、一般的な事は除外し無意識に行動している事について述べてみる。

1、言葉での伝達

伝達で一番多く使用されるのが言葉での伝達である。
ここで意識して頂きたいのは声の音階の変化ですが、意識の中に喜びや楽しさ(自己又は相手)がある場合の音階は1オクターブ高くなる。
通常の話し方で良いのに、電話で親しい人が出た場合、無意識中に1オクターブ高くなるのを経験していると思う。また逆に、気に入らない相手に付いては1オクターブ低くなる。
この心理は親愛の情が言葉と共に発する総合的表現の現れであり、その意識を相手側にも同時に受けてもらいたい願望からである。
声の大きい人は表現豊かな人であり、裏表の無い素直な人が多い。しかし、威圧的感情を持って大きな声を出す人は自己顕示欲が強く、意外と裏があるので注意が必要。例外としては耳が悪い人も大きな声になる傾向がある。
電話で、普通の声でも良いのに大きな声になる人も同様な傾向である。
声の小さな人は内向的で気が小さく、相手に気を使い消極的な人間に多い。
しかし、声は小さいがゆっくり話す人は計り知れない人格を有し、相手の理解力を観察しながら適切な言葉を選びながらの話である。
その他、早口とか、ドモリが入るとか、涙目になる、口を尖らせる、等々、
感情の動きは無意識に声の音階や動作として表現される為、この人は気が短いとか、感情的に成りやすいとか、相手の心理や手の内を見抜く材料となる。

2、文字での伝達

文字で人の心理や度量を表現及び観察する事が出来るが、近年はワープロやパソコンが発達し年賀状すら肉筆の文章を見る事が少なくなった。
そこで、ビジネスにおいて相手を知るための方法として、相手の筆記状況を観察すると大体の事が見えてくる。
打ち合わせや会議の時に筆記する文字の大きさや、内容量の変化で観察する。
細かな字を書く人は内向性で几帳面な気質の持ち主であり、やや大き目のノートを携帯し、打ち合わせ事項を細かく筆記する。「事務的人間」
大き目の字を書く人は小さな手帳に項目だけを筆記し、細かな打ち合わせ事項等は書き留めない。その為に忘れてしまう事も多い。「経営的人間」
自分のレポートは提出しないで各種の資料を持参し説明する人は、迷いの多い人、自己主張に乏しく、結論的リサーチは苦手、物知りである為企画スタッフ向きの人である。「資料収集型人間」
文章内に外来語をやたらと多く引用する人は、自己の学識を表現したい心理が働き、他を威圧し、主導権を確保したい表現である。又は、日本語を知らない。
耳慣れない外来語を引用する場合は「注釈」を入れるようにすると、威圧感は排除され学識と共に人格も表現できる。

3、目での伝達

「目は口ほどに物を言い」と諺通り重要な伝達器官である。
目の動きは人の精神、人格、を表し、精神科の医師が最初に観察する所でもあり、警察官も大勢の中から不審者発見の要点となる部位でもある。
人と話をする場合は目を見て話をしろと言います。何故かと言うと動物的に目は攻撃、防御両面を発揮できるセンサーであり、一番恐れる所でもある。
馴れている犬でも猫でも、目を凝視すると目を背けてしまう。凝視したままでいると時折目をうかがう動作に出る。この事は相手の心情を見てどのように行動すれば良いのか困惑と警戒心の現れである。
ビジネスに於いても真剣な話の途中で相手の目と合わせた時に、真実か偽りかの判断が瞬間的に感じ取る事が出来るのも目の働きである。
目の動きと同時にまばたきにも意味を持たせる事がある。
頬が上に上がる程、力が入ったまばたきは緊張の現れであり、自分の心理の中で整理をしながら間違いの無い話をする場合によく現れる現象である。(石原都知事)また、話をする前に強くまばたきをするのも同じ心理である。
頻繁に強くまばたきをしたり、一人なのに強くまばたきをするのは、心理的情緒不安定者であり、精神科医の診断を受ける必要がある。
会議中やセミナー等参加時に、まばたきが遅くなると退屈とか嫌気とかを感じての現象である。この現象は回りに伝染するので、話をする人は聞き手の目を観察しながら話すことが大切である。まばたきが遅くなると神経の弛緩作用が働き理解力が極端に減少する。
この事を利用し、相手が興奮状態のときに落ち着かせる話と同時に、まばたきを遅くすると効果が大である。子供を寝かしつける時にも効果大である。
練習にペット犬と向き合い、ゆっくりとまばたきを遅くすると、すぐ寝てしまう。寝るかな!と、思った時に、いきなりまばたきを早くすると興奮してじゃれ出すのである。
目の動きは敏感に心理を伝達する作用があるので、何気ない動作であっても細かく観察すると意外な面が発見できる。

4、ジェスッチャーでの伝達

ここで言うジェスッチャーは、パントマイム的意識動作ではなく無意識に出る何気ないジェスッチャーで、人の心理心境を観察することが出来る。

  • 貧乏ユスリ。――――― 落ち着きたいと思う精神状態。
  • 膝を組む。―――――― 親しい関係の現れ。初対面では威圧的心理。
  • 腕を後ろに片方で腕を掴む組み方。――― 内向的、決断力不足。
  • 椅子の肘掛を叩く。―― 相手に威圧感を与えたい心理。
  • 椅子の背もたれに背中をつけない。――― 緊張状態。
  • 椅子を揺らす。―――― 考え中。
  • 鼻や耳を触る。―――― 言い難い事や言い訳を言う前の動作。
  • 手を揉む。―――――― 結論を急がせる意味の動作。
  • 下を向きながらの話。―― 真実性に欠ける。頼み込む動作。
  • 上を向きながらの話。―― その場から早く立ち去りたい動作。

その他、多くの動作には何かの意味が隠されていると判断してよい。
相手の心理的なものを見ることは出来ないが、心理状態は体のどこかに表現化する。それを本人も意識できない深層心理の作用と考えられている。
深層心理や自律神経は本人の意志とは関係無く働く体内の諸器官(内臓、視覚、聴覚等)であり、その結締組織の作用が現象化し動作として現れて来るのである。
その些細な動作状態を観察し把握する事で、人の心情を理解し話の内容と重要性とを総合的に融合させ真実性の判断基準とする。

5、接触での伝達

接触とは相手の肌や体に触れることであり、肌に触れる事によって状況を優位に進める要素を持っている。
初対面での握手は一般的であるが、この握手で心理が読めるのである。
握手をしたが相手の手に力が無い場合、儀礼的な動作であり重要視されていない。好意に感じての握手は手に力が入り、また、空いている手で握手している相手の甲に手を添える。
握手した時に相手の肌(硬いか柔らかいか)を感じ取り、話の中から日頃の行動(スポーツマンで有れば硬く、事務屋は柔らかい)や矛盾点を分析する。
女性は話をしながら相手の腕や膝(手近な部分)を無意識に叩く習性があるが、話を確実に伝えたい為の動作で、言葉の正確さを表現し関心度が外に行かせない為の動作である。
女性は初対面であってもこの動作に出られる特徴があるが、男性での動作はあまり見られない。男性の場合は相手の肩に手を乗せる場合がある。この動作は優位性を表現し、立場を厳守したい心理からの行動である。
女性同士で(老若を問わず)歩くとき腕を組みながら歩く光景は何処でも見掛けるが、これは友好的表現と共に精神的不安を排除する意識が伴う。
精神的不安を排除した事により内在する冒険心が湧き、観光地等で思わぬ犯罪に巻き込まれ被害者となる事も多い。
男女間で、相手の髪に触れたり耳を触ったりするのは、猿同士の毛作ろいと同様な親愛の情を表現している動作である。しかし、その裏側に何が潜んでいるかは要注意である。

6、物からの伝達

お中元やお歳暮は虚礼廃止の波により減少はしいているものの、年次の習慣的需要は根強いものがある。これら贈答品は形式的なもの(ビジネス)が多く、本質的な真心を伝える効果に乏しいのである。
私的な事で世話になった方や、友人等に送られる物が真の贈答品の価値であると思う。
ここで言う物からの伝達は角度を変えて述べてみたい。
駅前等でティシュペーパーを配っている光景を見ると思うが、これは簡単に捨てられない宣伝用チラシであり、企業イメージ拡大が狙いの伝言である。
物からの伝達で、効果を発揮するのは女性に対してである。郵便局、銀行、保険、新聞、これらの業種は常にギフト品を持参し、話の内容にもよるが特別な意識を表現する意味でギフト品を贈る。
男性であればギフト品の値踏みをして次を考えるが、女性は値段ではなく送られた行為に対して評価し、特別視されたものと錯覚を起こすのである。
送り手はそれが狙いであり心情的な部分に入り込もうとする一つのテクニックでもある。
物からの伝達で注意しなければ成らない事は、高価な物を送ると異なった意味で解釈され、悩みも同時に送ることになる。従って、安価では有るが心のこもった物を選択することが重要と成る。

以上述べてきた1~6迄は通常一般的に行われている伝達手段であり表面化した分り易い所である。しかし、表面から隠された部分で働く精神、心、想念からの回答は現象化されない場合も多く、簡単には理解されない部分でもある。
また、一人の人間でありながら右脳と左脳での回答は別物であり、葛藤の領域でもあり、更に7~10迄の関係を加えると計り知れない反応となる。
次に、目に見えない心理的部位からの伝達について述べてみよう。

7、思想、哲学での伝達

いきなり思想とか哲学と言うと硬く構えてしまうが、ここで言うことは表面化すること無く感じさせてしまう伝達を言います。
例えば、言葉、態度、服装、から特徴的に表現することにより、他には見られない独特の雰囲気をかもし出す事で、相手に認識させることが出来るのです。
お店で言えば専門店的コンセプトを強化すると同時に、対応する社員の教育も同調させ、より専門家を表現する。
その事により、お客自身が勝手にお店の思想、哲学を読み取り、その雰囲気に馴染んで行こうとする心理が働く事を狙いとする。
この心理の裏に隠された物とは、理解できる範囲で自己を飾り通常的、異質感を感じないようにと背伸びをする心理が働くのであるが、本質は希望であり夢であり現実からは大きく距離を置いた存在となる。
そういう人の内心は動き方や態度で推し量れることが出来る。高級店であれば有るほど店員が気になり落ち着きが無くなる。
また、価格を意識したり望む品物の価格を知りたがる動作と同時に、店に無い物を探し出し聞く傾向がある。
ここで、お客の心理を研究するのではなく、お店の持つ思想、哲学の伝達を強固に打ち出す為の方法であって、それの効果により客層の限定化を促進するための戦略である。
逆に安売り店にしても同様で、安売りの思想、哲学を感じさせながらの展開は、客層の限定化及び販売促進を増強できるのである。

8、環境での伝達

環境での伝達で、大きくはパワーセンター、観光ランドであり、小さくはお店の売り場や部屋のレイアウトとして表現される。
人の心理状態を高揚させ深層心理にまで影響させることの出来る伝達手段でもある。
環境での伝達とは仕掛けであり演出であり、その仕掛けに人が入った時に通常の心理からは位置脱した心境になり、環境の波に飲み込まれ、思わぬ行動を取るのを期待しての伝達方法である。
皆さんご存知の幕張ですが、大型スーパーが集結し「我こそ」とばかりにしのぎを削っての争いと成っている。通称(幕張湾岸戦争)
ビジネスにおいてもプライベートにおいても、環境の伝達は良し悪しは別にして表現力を拡大することが出来るのと同時に、第三者の意識に変化を与えながら目的に応じた行動や意識の誘導を包括する能力を発する。
人の心に存在する深層心理には、常に未知の物を追求したいと言う願望が隠されている為に、目新しい物や環境に敏感に反応して行動に変化を与える。
しかし、その反応が万人に受け入れられる環境にと組み立てられるが、望む方向なのか否かは個々の心境によって行動は変化する。
環境での伝達は他店との差別化であり、類似での伝達では焦点がボケ思想的観念を伝達することが出来なくなる。
参考に幕張の各スーパーを見学すると、価格競争以外の各社の意図とする所が随所に見え、参考になる部分が多いと思う。

9、思いの伝達

思いは心から発する一種のエネルギー体で、現代科学でも解明されていない未踏の世界に属するものである。
しかし、万人が経験済みでありながら「不思議だ!」の一言で終わらせているのであるが、よく耳にするのは、暫らく会っていない親戚とか友人に電話でもしようと思った矢先に電話が鳴る。「電話しようと思ったんだよ」「えェー」。
これらはほんの些細な事柄ではあるが、思いの伝達を受けての相手の行動であって、最初に思った人が最初の発信者である。
注意していると感じると思うが、不意に誰かの事を時々思い出す場合がある。
これはその人から何かを思われていることの現れであると言える。 
それが良い事での伝達か又は悪いことでの物かは、本人の心で判断するとして、間違いなく伝達はなされている。
思いは潜在意識に運ばれ異次元に達する。この異次元でのエネルギーは時空を越え、地球の裏側であっても直接伝達可能である。思いは必ず通じると昔から言われ、言わばX素粒子(ニュートリノ)に類似し地球を貫通し直線的に進行して到達する。
ニュートリノは21世紀の現在でも未踏の科学として現在東京大学宇宙研究班が地下300mの地底で観測している。
「X素粒子(ニュートリノ)の存在は、65年ほど前に予言されていたが、26年後に初めて観測された。」
この思いとは、平和につなげる活動(仕事、人間関係)に使用し、恨みや争いに使用するべきではない。

10、意念での伝達

意念は思いよりも更に深くより強いエネルギーを発する。
意念は本心から思う事柄(善意、悪意)が基本となり、その意識が増幅して念を生み出す。
念とは思いが継続して蓄積され、更に凝固された物であり、簡単に忘れ去ることの出来ない強力な執着が内在し存在する。        
その事柄はその人の魂の一部に導入され、神仏の決済を受ける所までに達し運命までも変えてしまうほどの優位性と危険性をも持ち合わせている。
身近では、受験、不幸現象、事故、災難、等からの脱出を望む、これらは一時期的なものではなく継続的に思う事から念が生じ、神仏の力にすがりたいまでに成長する。
また、世の中を平和に成るようにと祈りを捧げるのも、意念の高低で発信エネルギーも変化する。従って神仏に対する訴えも高低がある。
悪しくは「わら人形に五寸釘」と言うものも存在し、念で恨みをはらすと言う恐ろしいもので、実際に人を殺すことも出来ると言う。
旧ソ連での研究はその念を武器にする所まで開発していたと言われている。
先に述べたように、念のエネルギー使用は後に神仏の決済があると言いましたが、悪念で人に危害を与えた場合、その10倍の辛苦難関を覚悟しなければ成らない。
念は万人が持ち合わせているが、少しの念であっても大勢の念が同調すると巨大なエネルギーとなって作用する。これが平和維持に関係するのであれば幸いであるが、逆に作用すると悲惨な戦争になる。その事だけは避けたいものである。

さて、話を実務に戻し述べてみよう。
念は思い抱くあらゆる次元によって、発信するエネルギーの波長は異なり、高次元では細かく光体となるが、低次元では荒く暗いものと言われている。
この念の本体は自己に内在しているため、徐々に表面化してくる。
「あの人は明るいとか暗いとか」「陽気、陰気」と言われるが、常に内在している意念の作用により身体に影響したり、周囲に波動エネルギーとして発信してしまう。ビジネスに応用する場合、社員の意念が何処にあるかで発信するエネルギーが変化し、店全体、経営全体に影響する。
その結果が悪くなっても本人自身である事も気づかず、改善の方法や対処の方法も理解されず被害者的逃避に終始するのである。
また昔の諺を引っ張り出すが「清く正しく」とは、高次元に属する生き方を教えているものであり、より幸せな人生を送るための基本となる言葉である。
しかし、現代の世の中は金で幸せが買えるという錯覚に陥りやすく、気付きに出会ったときには中高年で、病気であったり、不幸現象の中に立たされていたりするのである。
意念での伝達は、言葉でもなく態度でもなく容姿でもない。その人からほとばしる慈悲的な暖かさが波動となって発散し、周囲の人々の魂に安心感と幸福感を与えるのが最も価値有る伝達方法であり、人格の誉れと成る由縁である。

いろいろ述べてきたが、伝達方法を個別に分類をした物の、単一的なものではなく、各部位が複雑に絡み合った複合的なものである。
更に組み合わせを分類すると宗教的観念を引用しなければ成らず、未踏の世界を表現した範疇での説明となり、違和感を持たれる領域に立ち入らなければ成らないので伝達手段としてはここ迄とする。

いろいろ述べてきたがお客様の性格、気質、感性は千差万別であり、決められるものではない。しかし人間的心理は共通している。従って販売の極意とは、心正しく商品を細部に渡り説明し、売り込む意識(欲)を排除しお客様のライフスタイルを改善させる為のアドバイザー的存在となる事である。
簡単な様でも本心から欲を排除する事は非常に困難であり、修道の世界に通じる修行でもある。販売の極意とはここに隠されているのである。